前回は、タイルの剥離事故の原因のひとつ、
コンクリート躯体の伸縮について、お話しました。
今日は、下地についての話をさせていただきます。
まず、下地の用件として、接着の3要素があります。
1、吸水率
2、表面強度
3、粗面度
です。
下地の吸水率が高いと、張りつけモルタルの水分が急速に
下地に引っ張られ、ドライアウトを起こします。もちろん
ドライアウトすれば、接着力はなくなり、タイルは落ちます。
必ず、吸水調整材(NSハイフレックスなど)を下地に塗布してください。
表面強度が小さいと、張りつけモルタルの接着を阻害します。
粗面度は、平滑すぎると接着力は弱くなるので、適度に
荒れていることが望ましいです。
また、最近は直張りが多くなりました。
躯体表面が、型枠のアクやレイタンス(白華している)で
汚れていることが多くなりました。その場合は必ず、躯体の
表面を洗うようにしてください。
アクやレイタンスは剥離の原因になりやすいのです。
最近では、コンクリートを高圧洗浄や超高圧洗浄してくれる
ゼネコンが増えています。
このように、下地だけでも簡単にチェックすることでも
剥離、剥落事故を簡単に防ぐことができます。
次回は、最終回。
タイル張り施工上の注意です。
ありがとうございました。
(この文章は、日本化成㈱の資料を参考にしています。)
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