忍者ブログ

タイル屋のクレームはいっぱいあります。日々の「クレーム」を日記風に綴り、「クレーム」から新しい商品やサービスの有益なヒントを得たいと考えています。「クレームは知恵の宝庫」

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

なぜタイルは落ちるのか?Ⅲ

なぜタイルは落ちるのか?

今日は、最終回です。


前回は、タイル下地の不具合などについて
お話させていただきました。

下地の汚れや吸水調整材は、今や基本中の基本です。
次はいよいよタイル張りについてお話します。

タイル張りでの施工上の問題として、

1、張りつけモルタルの塗り厚(1回塗り、2回塗り)
2、1回塗りのときのコテ圧(がりっと塗りつける)
3、塗り面積の限度
4、オープンタイム
5、練り置き時間
6、メジ直し時間


まずは塗り厚ですが、必ず2回塗りにしてください。まず
1回目は1~2ミリ程度塗ります。そのときに重要なのは
コテ圧です。

1回塗りのときに、張りつけセメントを下地にガリガリ
こすり付けるようにコテ圧をかけて塗ります。

2回塗りのときは重ねて5ミリ程度になるように塗ります。

そしてタイルを張り、叩くと張り付けセメントは2ミリぐらいに
なります。

タイルを張るときに重要なことはオープンタイムです。
オープンタイムは、15分までがいいでしょう。

最後は、メジ直しです。

タイルを張り付け後、メジ直しをする場合、すぐには
タイルが動いて直せないので、少し時間を置くと思いますが
ここで時間が空きすぎると、ちょうどセメントの硬化し始める
タイミングとかちあってしまうのです。

結果、固まりだしたときにタイルを動かすので、接着強度が
落ちてしまうのです。

このタイミングは、ズバリ職人さんの経験しかありません。

これが、タイル張りの流れになります。


以上、タイルを落とさないための施工フローです。

少しでもあなたのお役に立てたでしょうか?


次回、最終回Ⅱで、今後の課題についてお話したいと
思います。

ありがとうございました。


PR

なぜタイルは落ちるのか?Ⅱ

前回は、タイルの剥離事故の原因のひとつ、
コンクリート躯体の伸縮について、お話しました。

今日は、下地についての話をさせていただきます。


まず、下地の用件として、接着の3要素があります。

1、吸水率
2、表面強度
3、粗面度

です。

下地の吸水率が高いと、張りつけモルタルの水分が急速に
下地に引っ張られ、ドライアウトを起こします。もちろん
ドライアウトすれば、接着力はなくなり、タイルは落ちます。

必ず、吸水調整材(NSハイフレックスなど)を下地に塗布してください。

表面強度が小さいと、張りつけモルタルの接着を阻害します。

粗面度は、平滑すぎると接着力は弱くなるので、適度に
荒れていることが望ましいです。

また、最近は直張りが多くなりました。

躯体表面が、型枠のアクやレイタンス(白華している)で
汚れていることが多くなりました。その場合は必ず、躯体の
表面を洗うようにしてください。

アクやレイタンスは剥離の原因になりやすいのです。

最近では、コンクリートを高圧洗浄や超高圧洗浄してくれる
ゼネコンが増えています。


このように、下地だけでも簡単にチェックすることでも
剥離、剥落事故を簡単に防ぐことができます。

次回は、最終回。


タイル張り施工上の注意です。


ありがとうございました。


(この文章は、日本化成㈱の資料を参考にしています。)

なぜタイルは落ちるのか?

ビルの外壁タイルの剥離事故が目立ちます。

ここ2年ぐらいは、良く話を聞くようになりました。

では、なぜタイルは落ちるのでしょう?
それは、接着層に生じる力、接着強度の問題です。

タイル張りの剥離の原因としては、

1、地震や地盤沈下によるコンクリート躯体の変形
2、躯体コンクリートと下地モルタルの接着不良
3、張りつけモルタルとタイルの接着不良
4、タイルと張りつけモルタル、下地モルタル層の動きの違い


などがあげられると思いますが、これらには事前に
きちんとした対応が必要だと思います。


コンクリート躯体への対応としては、伸縮目地をしっかり取る
ということです。そして、タイル目地が必ず、伸縮目地に合致
していることが、条件です。

「何だ。当たり前やん」

と、皆さん思われると思いますが、実際に現場を
進めていると、よくあるんです。

図面では、きっちり伸縮目地が取れているのですが
実際の躯体の目地がずれていて、工期もないので
そのまま工事を進めてしまう。

よくあります。

工事をやる前には、きちんと図面もあり
打合せも完璧なのですが、工事が始まると
そのとおりにならないのです。

単純な簡単なことですが、きちんと徹底するだけで
剥落、剥離事故は激減します。



次回は、下地についてお話します。

皆様のお役に立てればうれしいです。



(この文章は、日本化成㈱の資料を参考にしています。)

ガソリンとタイル屋

ガソリンが高い!

ガソリンの高騰は、タイル業界にも多大な
影響を与えています。

まず、運賃が軒並みにアップしました。

そして、タイル自体の単価も各社あがっています。



単価を上げるまではいいですが、単価を上げても
売れ続けてくれるといいのですが、どうしても売れない
メーカーも出てきます。

売れないと当然、資金繰りができずに・・・

先日も岐阜県のメーカーが倒産しました。
去年からメーカーもキツイ状況が続いています。

そして次に影響が出るのが我々サブコンです。


年末まで、2ヶ月をきりました。

皆さん、ラストスパートをかけ、共にがんばりましょう!!

30年前のタイルは裏足がなかった?

いつものように私は、大規模改修に追われています。

外壁改修工事だけで、7件が同時に動いています。


今日もある現場へタイルを搬入し、職人さんに
「よろしくお願いします。」といって、現場を後にしました。

さかのぼること3週間。


京都には古い建物が数多くあります。

その物件は、約30年前の建物で、外壁に小口
タイルを張っています。

外壁の全面改修で、200平方メートル分をはつって
新規にタイルを張ることになりました。

当然、昔のタイルですので、特注でタイルを色あわせして
やきました。


昔のタイルは、重油で焼いているので、現在のガス窯での
色あわせは非常に難しく、3回も焼きなおして、ようやく
OKをいただきました。

クラック部分をはつってみると、ダンゴ張りのようです。

昔の職人さんは、大変やったんですね。



話を今日の夕方に戻します。


職人さんが、現場を終えて、帰りに会社に寄ってくれました。

「このタイルあかんわ。」

「え~?」

色も完璧にあわし、数量も打ち合わせどおり、何が
あかんのやろう?


職人さんに、もう一度くわしく話を聞いてみると・・・


なんと!!

この現場は、ダンゴ張りで張っているのですが
昔のタイルには、裏足がなく、特注のタイルは2㎜ぐらい
厚いのです。

「うそ~」


確かにダンゴ張りで張っていたのは知っていました。

はつった部分も見ていました。そして、はつりとった界面も
タイルとダンゴ張りのモルタル部分ではがれているのも
見ていました。

が、裏足がないなんて見てませ~ん。




結局、部分補修のタイルは、裏足を削ってタイルを
薄くしないと既存のタイルとは段差がついてしまうのです。

私は、そのまま工場へタイルを580枚、送る手配をしました。


残念! ショック!