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タイル屋のクレームはいっぱいあります。日々の「クレーム」を日記風に綴り、「クレーム」から新しい商品やサービスの有益なヒントを得たいと考えています。「クレームは知恵の宝庫」

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検査

主検査ほど大切なものはありません。

今回の事件で、自分自身が痛感しました。

自主検査にもいろいろあるのですが、まず、「打音検査」です。


打音検査は、邪魔くさいし、疲れるし、まず97%は、浮きなどは
発見されません。(浮いてないという事)

個々の職人さんの実績から言って、まずないです。

そんな気持ちで、いつも打音検査をしていました。




話は、少しそれますが、現在、大型物件を2件私が担当しているのですが、両方とも「スーパーゼネコン」といわれるゼネコンですが、その検査体制はすごいです。

検査項目や検査の種類など「ここまで管理するか?」というぐらい
多いです。が、私が一番感心したのは、現場所長です。

どちらの所長も自ら打音検査をしているのです。

1人の所長は、昔からタイル全数を叩いていたというのです。

片方の現場では、私自身も打音検査をして浮きが発見されず
チェックリストをオールクリアで提出していたのですが、そのあと
現場所長が再検査をしたら、3枚も浮きが発見されました。

私自身も検査したあとなので、気まずい気持ちでいたのですが、所長曰く


「打音検査は、何回でもやったらええんや。誰がやってもええ」

「最終的にお客様にお渡ししたあと、めくれへんかったらええねん」



さすが大所長!



私も助けられた気持ちにもなりましたが、すごく前向きになれました。

一番大事なのは、お客様に良い品質でお渡しすることなのです。



片方の所長は、毎日現場を散歩のように歩いては、
当たり前のように不良箇所を見つけてきます。

私達は、日々の作業に終われ、工程第一のように仕事を進めがち
ですが、第三者の目でしっかり品質を管理されています。

この姿勢には、私のような現場管理の人間は学ぶべきものが
多いと感じました。



検査は、誰が何回やってもいい、お客様の目で検査して
お客様にお渡しする。
もし、悪いところがあっても工事中の不良箇所はいくらでも
直すことができるのです。


自分たちの作った建物なのだから、自信を持ってお客様に
お渡ししたい。

今回の「ドライアウト事件」では、多くのことを学び、今後の
仕事に役立つ体験をさせていただきました。



これからも高い品質のタイル工事を提供できるように
努力したいと思います。


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ドライアウト現象と対策

いつも情報を活用していただき
ありがとうございます。

今日も昨日からの続編です。

今日の内容がキモです。



さて、風の影響を極力押さえて、きっちり
タイル下地をチェックし、吸水調整剤の6倍液を
塗布します。

その後タイル張りを行うのですが

まず、原則というか、絶対に2度塗りを
行ってください。


オープンタイムももちろん考えながら1回目は
1~2㎡ぐらいの範囲でタイルセメントを塗っていきます。

このとき、タイル下地もしくはコンクリートに
こすり付けるように「がりっ」と塗ります。

張付けセメントにエアーだまりがないようにします。

セメントの引き具合を見て2回目の塗りつけを行います。

ここでのポイントですが、1回目の張付けセメントの硬さは
少し硬い目でも良いです。が、2回目の張付けセメントは
少し柔らかい目が良いと思います。


2回目の張付けセメントが1回目のセメントにもタイルの
裏面にも確実になじむからです。

もちろん、タイルの裏足充填率も上がります。


こうして、タイル張りを小さい面積ずつ張っていくと
まず、「ドライアウト」は起こりにくいと思います。

1度にはる面積を小さくしておけば、天気や風の変化を
見ながら微調整もできるからです。もちろんオープンタイム
もきっちり守れます。


もうひとつ、大事なことは


1度にセメントを練る量も考えることです。つまり
「練り置き時間」が大事なのです。


今、施工中のマンションでは、ゼネコンより「練り置き時間」を
毎回、チェックリストに記入して行ってます。

これには、びっくりしましたが、「ドライアウト事件」がおきてからは
すごく納得のできるチェックリストです。



このように、2度塗り、オープンタイム、練り置き時間を
すべての職人さんが自主管理できなければ、均一な品質は
保たれません。

もちろん、私たち会社の人間がチェックして指導して
教育をしていかないと、はじめから何も言わなくても
これだけのことをしてくれる職人さんは、25%以下なのでは
ないでしょうか?


今日は、タイル張り施工の要領書のような記事になってしまいましたが
これが、タイル張りのキモだと思いますし、当社の
品質管理の最重要項目です。


残念なことに、今回の「ドライアウト事件」では、このような
管理ができていなかったと、私自身反省しています。


タイル張りを施工手順どおりに完了させたら、つぎは
その検査です。

次回は、検査についてお送りしたいと
思います。


ドライアウト現象と対策

いつも情報を活用していただき
ありがとうございます。

前回に引き続き、「ドライアウト事件」を
お送りします。

今日は、施工前の準備です。


まず、今回の現場はとにかく暑すぎました。この現場に
限らず、この夏は、異常に暑かったです。

今回の事件が起こった壁は、南面です。つまり
直接日光が1日中当たります。昨日も書きましたが
メッシュシートでも張ってあれば、状況も変わっていたかも
知れません。

あわせて、吸水調整剤の塗布です。

この現場も確実に、吸水調整剤は塗布していましたが
異常な日差しが照りつける南面で効果が出なかったのかも
知れません。


もうひとつ、この現場もコンクリート「直張り」です。


そして、コンクリートの躯体精度が、はっきり言って
最悪でした。

私もこの南面で妻壁になっていて、3つの棟による
構造的に吹き抜け状態になっているこの壁は、仕上がりが
メラメラになると思い、ゼネコンに下地調整(左官下地補修)を
お願いしたのですが、それもいまいちでした。


もし、コンクリートの直張りではなく、一度左官下地で
しごいてもらっていれば、水もちは、劇的に良くなって
いたかもしれません。


あわせて、悪い下地のまま、タイル張りを行うと
いくら厚めにセメントを塗っても、叩き込む時、タイルの裏面に
しっかり、あたらないところもできてきます。


少し言い訳のように書いてしまいましたが、下地は極力
練ってもらった方が良いと思います。

教訓その2

直張りでも平滑にタイル下地を作ってもらう。



ただし、これは非常に難しい問題ですが、近年
ゼネコンサイドは、妻壁など、特にタイル面積の
大きい壁は、極力下地をぬらせないように指導されて
います。


ただし、私から言わせると、きちんとしたプレミックスの
樹脂系セメントで、タイル下地を作れば問題ないはずです。


今後は、タイル下地についても我々たいる業界が指摘、管理
していかなければならないと思います。

ドライアウト現象と対策

いつも情報を活用していただき
ありがとうございます。

今日から当社で起きた、「ドライアウト事件」を
お送りしたいと思います。

では、

「なぜ、ドライアウトは起こるのか?」

それは、張付けセメントを塗った直後に
急激な乾燥を受けると、セメントが粉状で残って
しまうのです。

今回、私の現場でも環境条件は悪かったと思います。

外壁のほとんどが、PC工事だったため、足場のメッシュシートが
荒い網目のネットだったため、風の影響を直接受けていました。

加えて、この現場は、3棟の建物が、「コの字」にたっているのですが
その丁度交わる壁で、「ビル風」のように、風が吹き抜けてくる状況
だったのです。


この環境だけでも充分に、ドライアウト現象が起きやすい状況でした。


ここでの対策としては、我々、サブコンとして、こんなに
風が吹き込む状態ならば、養生ネットを張って、風を止める
対策が必要だったのです。

教訓その1

「風の影響を受けないようにシートを張る」



次回は、施工前の準備についてです。

タイルブログを再開します。

いつも情報を活用していただき
ありがとうございます。

約、1ヶ月半の間、ブログ更新を怠っており
大変申し訳ありませんでした。

は、タイル業界に入って16年、はじめてビビリました。


と、いうのは、前にもお伝えしましたが
私の現場で「ドライアウト」現象がおこり
妻壁、約240㎡を全面張替えの危機に陥って
おりました。

入社当時から、「ドライアウト」に注意!

とは、いつも職人さんにも口が酸っぱくなるほど
行ってきましたが、なったことがありませんでした。

まず最初に、打音検査をしていると「カラカラ」と
いやな音が鳴り響きました。あれ?という感じだったのですが
続けていくうちに、その範囲がどんどん広がっていったのです。

私自身、初めての経験だったので、最初は「まさか?」
という感じだったのですが、だんだん怖くなってきました。


「浮いてる?」


徐々に、アブラ汗が出てきた感じでした。


翌日、引張試験を行い、血の気が引いたのを覚えています。
試験結果は、規定の数値をはるかに下回る3.8N/m㎡でした。

その日から、私のつらい、つらい日々が続いたのです。


そして、今日は10月2日。

約1ヶ月半の月日が流れていったのです。

ようやく、足場も解体され、平穏な生活が戻って
きました。


今日は、長くなるのでこの辺にしますが
次回から、ドキュメントをお送りしたいと
思います。


題して・・・


仮題「どうしてドライアウトになるのか?」


をお送りいたします。


私自身も非常に勉強になったので
このブログを読んでくれているあなたにも
シェアしたいと思います。


次回もお楽しみに!

(今後はこまめに更新できると思います)