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タイル屋のクレームはいっぱいあります。日々の「クレーム」を日記風に綴り、「クレーム」から新しい商品やサービスの有益なヒントを得たいと考えています。「クレームは知恵の宝庫」

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30年前のタイルは裏足がなかった?

いつものように私は、大規模改修に追われています。

外壁改修工事だけで、7件が同時に動いています。


今日もある現場へタイルを搬入し、職人さんに
「よろしくお願いします。」といって、現場を後にしました。

さかのぼること3週間。


京都には古い建物が数多くあります。

その物件は、約30年前の建物で、外壁に小口
タイルを張っています。

外壁の全面改修で、200平方メートル分をはつって
新規にタイルを張ることになりました。

当然、昔のタイルですので、特注でタイルを色あわせして
やきました。


昔のタイルは、重油で焼いているので、現在のガス窯での
色あわせは非常に難しく、3回も焼きなおして、ようやく
OKをいただきました。

クラック部分をはつってみると、ダンゴ張りのようです。

昔の職人さんは、大変やったんですね。



話を今日の夕方に戻します。


職人さんが、現場を終えて、帰りに会社に寄ってくれました。

「このタイルあかんわ。」

「え~?」

色も完璧にあわし、数量も打ち合わせどおり、何が
あかんのやろう?


職人さんに、もう一度くわしく話を聞いてみると・・・


なんと!!

この現場は、ダンゴ張りで張っているのですが
昔のタイルには、裏足がなく、特注のタイルは2㎜ぐらい
厚いのです。

「うそ~」


確かにダンゴ張りで張っていたのは知っていました。

はつった部分も見ていました。そして、はつりとった界面も
タイルとダンゴ張りのモルタル部分ではがれているのも
見ていました。

が、裏足がないなんて見てませ~ん。




結局、部分補修のタイルは、裏足を削ってタイルを
薄くしないと既存のタイルとは段差がついてしまうのです。

私は、そのまま工場へタイルを580枚、送る手配をしました。


残念! ショック!
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外壁改修工事日記

どこか職人さんはいませんか?

いつになったら職人さんは来てくれるの?

タイルの納期はいつですか?

見積はまだですか?



とまあ、今日も63回も電話がなりました。
だいたい、このようなお怒りの電話を頂戴します。

そうなんです。おかげさまで忙しいのです。

外壁の補修・改修工事だけでも7件が同時に動いてます。
改修だけでも人が足らなくなってきました。


そんな中で、今日も見つけました!


とんでもない施工です。


ホテルのロビーの壁なんですが、輸入ものの400角
タイルが張ってあり、タイルが浮き上がってきたので
改修させていただいたのですが、

タイルをはつってみると、タイルセメントで15ミリぐらいの
ダンゴ張り(点付け)で、張っていました。

タイルも競りあがっていたので、ハツリは非常に
楽でしたが。点付けのセメントまで簡単に取れたので
ビックリしました。

コンクリートの精度もわるく、下地を補修しているのですが
その補修材もドライアウトしてる状態でした。

施工前に必ずホコリを取り除き、ハイフレックスなどで
しっかりと水湿しして、下地は塗らないといけません。

タイルも点付けで張るなら、エポキシ系のボンドで
しっかりと張らないとこういう結果になるのです。

どうしてこんな施工になってしまうのでしょう?


それは、工事中に予算もなく、目先の利益を
追ってしまうのです。


商売ですから利益は一番大事です。が、タイルが
めくれてきたり、落ちたりすると会社の寿命を一瞬にして
ちじめてしまいますよ。

驚愕の輸入タイル。裏足が・・・

大事に至らなかったのですが・・・


先日、ショッピングモールの工事をしていたときでした。

タイルの割付で、一番左端の一列を張替えることに
なったのです。

張って、2日ぐらいだったので案外ハツリ安かったのですが
私は、そのハツレかたを見たとき、一瞬寒気を感じました。


ショッピングモールというのは、どこでも予算の厳しい
現場で、この現場も非常に厳しい予算が組まれていま
した。

そのため、私は、最近どこでも使わせていただいている
輸入タイルを提案し、現場のほうでも了解してくれていました。

工法は、モルタル下地の上に、圧着張り工法で施工しました。

以前にもお話させていただきましたが、タイルセメントの性能は
かなり高く、まず通常の作業手順で施工した場合、浮きの心配
がないぐらい、信頼性があります。


この現場でも、きちんと作業手順どおり施工しました。


話を戻しますが、タイルを一列ハツルことになり、はつってみると
結構簡単にタイルがはがれていきました。

が、


貼り付けのタイルセメントが全く、はがれてこなかったのです。


どういう事かというと、タイルとタイルセメントが界面になっているのです。
界面とは、どこで離れたかということです。

今まで、何事も問題もなく、クレームにもなってなかったのですが
輸入タイルは、裏足が日本の製品に比べ少し低いのです。

そして、裏足の形状も違います。


つまり、「浮き」まではいかないものの、「タイルセメントがタイルの
裏足に食い込みにくい」 ということです。

最近は、モルタル下地やコンクリートの直抑えで下地を
つくり、圧着でタイルを張ることが多いので、下地の
伸縮や、クラックが原因でタイルが浮くことが目立ちます。

どうなるかというと・・・

裏足にあまり食いついていないタイルは、下地の伸縮などで
タイルとタイルセメントに界面ができ、そこから浮きや
クラック・ひび割れが出やすくなります。


ショッピングモールで、数百平米もタイルを張っていた
私は、一瞬本当に青ざめたのでした。


タイルの浮きには必ず原因があります

「外壁タイルは、全体の2%ぐらいは浮きます。」


ええ?冒頭から飛ばしすぎですね。


でも、真実です。


外壁タイルの浮きには、必ず原因があります。
原因はいくつかありますが、一番多いのは

タイル下地がドライアウト(塗ったときに水分が失われて下地材が
くっついていない)状態になっている。

コンクリートやモルタル(タイル下地)に構造クラックがはいり
タイルを浮かしてしまう。

タイル張りの施工不良。(貼り付け時のたたき不足)



などが、あげられます。

私の経験上、タイルの施工不良で浮いたことは
ほとんどありません。

また、あっても単体で1枚や2枚程度で、落下してもあまり
影響はありません。
(ただし、施工後は必ず打音検査は必要です)

むしろ、下地不良の場合、1箇所で浮く量が50センチ四方や
2メートル四方と多く、1度に落下すると非常に危険です。
下地が浮いて、落下すると当然タイルも落ちます。

タイルの貼り付けセメントの性能もかなり高いので
よほど、たたき不足がない限り浮いたりはしません。


このように、タイル屋以外の原因で浮く場合はどうしようも
ないですが、施工前には必ず、下地チェックをお勧めします。

これは、自分を助けることにもなると思います。



でも、2%ぐらいは浮きますので、今後益々、大規模改修は続きますよ。

タイルはなぜ浮くのですか?

マンションの大規模改修は、大流行です。


大規模改修とは、建物の外壁のリニューアルのことで
外壁タイルの浮きや、クラック部分を張り替えたりする
ことです。

最近は、耐震問題などで、建築許可がおりにくいことも
影響して、改修工事やリフォーム工事、大規模改修が
非常に多いです。

私の会社でも今日現在、6物件が同時に進行中です。

中には、物件のほとんどが改修工事という工務店もあり
監督さんが不足しているところもあるぐらいです。

そして、今日、ある一人の監督さんから


「タイルってなんで浮くのですか?」


という質問を受けました。なんとシンプルな質問でしょう。
そんなこともわからないのに、よく監督が務まるなあ・・と
思いましたが・・・・

ちょっとまて!

もしかしたら、こんなシンプルな疑問を持っている人は
案外多いのでは?

と思い、一から十まで丁寧に説明しました。


この話は、少し長くなるので次回、詳しく説明したといと
思います。


次回、

『なぜタイルは浮くのか?』


乞うご期待!!